確率について考える

成功しているトレードとは、長期的に一貫して利益を上げていることです。一時的に大きく稼いで終わりではなく、安定して長期間マーケットから利益を得たいと思いながらトレードしていると思います。一方、ギャンブルトレードは、次のトレードで勝つことを期待しながらトレードをしています。常に目の前のトレード結果に集中しているため、長期的な見通しが立っていません。

長期的に収益を上げるトレーダーになるためには確率について考える必要があります。リスクリワードレシオが1の場合、利益を上げるため必要な勝率は50％以上です。確率について考えるということは、利益を得るために必要な勝率とトレードシステムの理解を深めることでもあります。仮に勝率が低くても高いリスクリワードレシオ（平均利益 ÷ 平均損失）になっていれば利益をもたらすことも可能になります。

リスクリワードレシオと勝率の関係

• リスクリワードレシオが0.5の場合に必要な勝率は67％
• リスクリワードレシオが1の場合に必要な勝率は50％
• リスクリワードレシオが2の場合に必要な勝率は33％

トレード戦略がなければ長期的に稼ぐことはできず成功することもできません。先ず過去のマーケットパターンを分析し、収益性の高い戦略を探します。収益性の高い戦略を見つけてトレード戦略における過去のリスクリワードレシオと勝率を理解すると、より良いトレードができるようになります。

確率思考の利点

利点１

損失はトレード上不可避であると理解し、損失を受け入れやすい思考状態にします。常にマーケットは自分の思惑通りに動く訳ではないため、損失を受容できるようになるとストップロスルールに従うことも容易になります。プロトレーダーであっても損失トレードは必ずあります。プロはその損失をカバーすべく思考力と行動力を持ち合わせているのです。

利点２

トレード戦略から期待される収益性（確率）を把握できるため、トレードストレスを軽減することができます。1回1回のトレード結果に焦点を当ててしまうと、損失になった際にその戦略を信じることができなくなりストレスとなります。どんな戦略であっても100％の勝率はないため、損失になることもありますが、そのトレード戦略の収益性を信じてトレードすることで長期的な結果は良くなり、ストレスを軽減できるようになります。

利点３

トレードルールを立てるときには確率の高いトレードルールを選ぶはずです。そのため、トレードルールに従うことに集中して、価格がターゲットに達するのを待つようにします。値動きに翻弄されてしまうとトレードルールの存在を忘れてしまいますので、そういったときには一度チャートから離れ、価格がターゲットかストップに達するのを待つのも確率思考を定着させるには良い対処法となります。

トレードとは損失を小さく抑え、利益を最大化することで長期的に利益を上げられるものです。どんなトレード戦略であっても損失機会もあることを理解していれば、よりトレードへ集中できるようになります。

トレーダーの仕事は、利益に繋がるリスクマネジメントを利用しながら、繰り返されるパターンを見つけることです。短期的に見ると運悪く成功しないトレードもありますが、そのトレード戦略が優れている場合、長期的には利益を上げることができるはずです。思惑通りに価格が動くことを信じるのではなく、マーケットを分析する力、トレード計画に従う力を信じ、身に付けるべきです。