Nick Goold
トレードにおいて重要な3大要素は、リスク管理、手法、メンタルコントロールといわれています。リスク管理ができていなければ、どれだけ優秀なトレード戦略があっても、頑強なメンタルがあっても、トレードで成功することはできません。
この記事では、プロのリスク管理に対する考え方を学びましょう。
1. リスクに見合った利益が期待できるトレード?
トレードは、ストップロスのリスクを負いながら利益を狙います。トレード手法を極めるだけでは長期的な利益には結びつきません。「トレードの優位性」とも呼びますが、リスクを取るだけの価値があるトレードなのかを考えましょう。目安となるのはリスクリワードです。エントリーしたとしても、ターゲット幅が小さすぎたり、ストップロス幅が狙う利益幅を大幅に上回っていると、どれだけ勝率が高くても、利益を継続的に出し続けることは難しいでしょう。
2. ボラティリティの変化に応じてトレード手法も変更する
マーケットが通常よりも大きく動くとストップ注文が ヒットする可能性が高まるため、ストップ幅を広げなければいけません。しかし、単にストップ幅を広げると いう考えはリスク管理において問題となります。 その場合はターゲットも広げ、ポジションサイズを小さくする必要があります。 一方、マーケットが静かになった時はターゲットに達 することが難しくなるため、ターゲットとストップを 小さくし、利益を確保するためにポジションサイズ を大きくします。
3. 勝率とリスクリワードレシオはリンクしている
リスクリワードレシオ(損益比率)を計算し、継続的に利益を出すためには何パーセントの勝率が必要かを理解しなくてはなりません。
例えば、勝ちトレードの 5 倍以上のリスクを取っている場合、仮に80%の勝率だったとしても破産してしまいます。勝率だけにこだわっても意味がありません。
4. 長期的な結果に焦点を当てる
トレード毎の利益や損失は、トレードに際してさほど重要ではありませ ん。より重要なのは、長期的な利益のためにリスク管理ルールを徹底して守り続けることです。1日の終わりや週末にトレード結果を振り返り、 ルールを守れたか否かを確認することは、今日その場限りでお金を稼ぐこ とよりもはるかに重要です。リスク管理ルールを守れていたか、この振り返りで得られた気付きこそが、後に「本当のトレード」と「ギャンブル」と大きな差となります。
5. 取引手数料に注意する
マーケットが動いている時は値動きに没頭してしまい、トレードする度に手数 料やスプレッドが発生していることを忘れてしまいます。トレード回数が多くなるほど、取引コストも必然的に大きくなります。トレード回数が多くなり過ぎてしまうのも問題です。
6. 少数の銘柄に絞ってトレードする
1つの証券会社が取り扱う銘柄の種類は豊富です。為替だけでも数十種類あり、CFDも含めると、もっと多くなります。しかし、多くの銘柄でポジションを持つことは、同時にリスクも多く保有するということです。リスクを拡大しよう とするのではなく、1つまたは2つの少数の銘柄に絞ってトレードするのがおすすめです。 あるマーケットでの損失を埋め合わせるために、他のマーケットで挽回しようとしてはいけません。
7. 利益が損失に変わるのを防ぐ
保有しているポジションがターゲットに近づいてきたものの直前で反転した場合、最悪でもブレイクイーブン(建値)で決済することはとても良い判断です。 含み益だったポジションが損失に変わることはストレスとなり、何とか相場が元に戻ってほしいという感情が芽生えてきます。このような状態では、メンタルコントロールが難しく冷静な判断ができません。トレー ドで利益が乗ってきたら、ストップを早めに引き上げて(引き下げて) ポジションが損失に変わるのを防ぎましょう。