Nick Goold
FX市場やCFD取引では「レバレッジ取引」ができます。レバレッジ取引とは、証拠金を取引するブローカーに「必用証拠金」として預け入れて、実際の資金よりも大きな取引量のトレードを可能にする仕組みのことです。ただし、トレーダーが口座残高以上の損失を被らないよう、「強制ロスカット」という仕組みがあります。
なぜレバレッジ取引をする?
レバレッジを活用すれば、わずかな価格変動であっても大きな利益を狙うことができます。同時に大きな損失が発生するリスクもあります。
例えば、1,000ドルの口座残高があり、最大レバレッジ20倍を提供するブローカーを利用する場合、取引量としては最大2万ドルまでが可能です。ポジションが決済された段階で、2%の利益が出た場合、口座残高は400ドル増加し、わずか1,000ドルの投資で40%のリターンが得られます。次の取引では、レバレッジポジションに最大28,000ドルまで投資可能になります(1,400ドル×20)。
ただし、損失のリスクもレバレッジによって増幅されることにも注意が必要です。リスクを制限するためストップロス注文を設定する必要があります。
例えば、リスクリワード比率を2倍に設定し、かつ、勝率50%の場合、全体的なリターンはプラスになります。これは、トレーダーがリターンを増幅するためにレバレッジを利用したからです。
ブローカーは、手数料の増加やスプレッドから得られる収益の増加により、他の取引よりも大きな利益を得ることができます。しかし、ポジションが翌日に持ち越された場合、スワップポイントも比例して大きくなります。
レバレッジ取引の魅力は、少額資金で大きな利益が狙える可能性があるという点です。しかし、レバレッジを過剰にすると、すぐに大きな損失につながってしまうことも理解しなければいけません。
先ほどの例をもう一度考えてみましょう。ただし、2%の利益の代わりに、急激な価格変動により4%の損失となった場合を考えます。この4パーセントの損失は800ドルにもなります。トレーダーが1,000ドルの元手の4%、つまり40ドルを失っただけだった場合よりも、はるかに大きな損失が発生したことになるのです。
証拠金とは何か?
証拠金は、ポジションを保有したり、新たなポジションを建てるために必要な口座の最低残高のことです。
レバレッジと証拠金は、類似している言葉ですが意味は異なります。レバレッジは証拠金に対して保有できる取引量の比率を示すのに対し、証拠金はポジションを保有するために維持しなければいけない口座最低残高を意味します。
ポジションに対して不利な動きが発生した場合、証券会社はマージンコールを発信し、追加証拠金を入金するようにトレーダーに求めます。
トレーダーが追加資金を入金しない、もしくは、損失が大きく拡大したときはブローカーがポジションを強制ロスカットします。
レバレッジの目安は?
トレーダーのリスク許容度、市場の状態、利益確定や損切りの注文の配置などを総合的に判断して決定する必要があります。
最初に、口座残高に致命的な影響を与えないレベルの損失許容がどの程度なのかを理解しなければいけません。
次に、マーケットの状況を考えます。相場のボラティリティ、流動性、トレンドを考慮します。予想外の損失を被らないためにも、相場が不安定な動きをしている場合、低いレバレッジに抑える必要があるでしょう。一方、相場が安定しているのであれば、レバレッジを最大限に活用することも検討できます。
最後に、ストップロス注文・利益確定注文をどこに設定するかを考えます。これらの注文を決める際は、サポートとレジスタンスを利用するのがおすすめです。トレード計画に沿って設定することで、トレーダーはリスクを抑え、利益を最大化できます。3つの段階を経た後で、レバレッジをどこまで活用するのかを検討してみましょう。