Nick Goold
マーケットには様々なタイプのトレーダーが日々活発に取引しています。 個人トレーダーであってもアマチュアトレーダーであっても、プロトレーダーと同じ土俵で取引をしていることを忘れてはいけません。それぞれのトレーダーがどのようにしてトレードしているのかの理解を深め、エントリーポイントや決済ポイントの改善に役立てていきましょう。
銀行トレーダー
銀行の役割は大口顧客の取引支援です。手数料ではなく、売りたい顧客と買いたい顧客の価格差で儲けていきます。銀行トレーダーは自分のポジションも持ってトレードしますが、同時に顧客からの注文情報がトレード機会を見つける手立てにもなっています 。
また、銀行トレーダーは一つないしは極少数のマーケットに専念します。そしてそのマーケットに特化して取り組むため、そのマーケットの専門家ともいえる存在となります。超短期から長期に渡ってすべてのトレードスタイルでトレードしており、使う戦略はファンダメンタル分析とテクニカル分析、両方からマーケットを見ていきます。
ヘッジファンドトレーダー
基本的に、マーケットで一番大きなポジションを占めているトレーダーと言っても過言ではないでしょう。ヘッジファンドは大口投資家から資金を受けて資金管理手数料をもらいます。 そして儲けはあらかじめ決められた配分に基づいて投資家と分け合います。
ヘッジファンドには二つのタイプがあります。ファンダメンタル分析に基づきトレードするヘッジファンドは、数週間から数ヶ月間、長期に渡ってポジションを保有します。そしてマーケットの需要と供給を分析しながらトレード機会を見つけていきます。 一方、テクニカル分析に基づきトレードするヘッジファンドは、主に数学モデ ルを使用してトレード機会を見つけていきます。ポジションの保有時間は秒単位から数ヶ月まで幅広く、戦略によって使い分けています。
プロップファームトレーダー
プロップファームはヘッジファンドと似ていますが、資金は機関投資家以外から受けています。プロップファームは通常のヘッジファンドよりも短期のトレードをするのが特徴的です。また、プロップファームはトレーダーに給与は支払わず、トレードの儲けの一定割合を成果報酬として支払います。そのため、プロップファームは多くのトレーダーにリスクを分散させ、ファンダメンタル分析とテクニカル分析の両方を使ってトレードを行います。チームサポートを得られる上、成果報酬が大きいため、銀行やヘッジファンドで成功したトレーダーもプロップファームに参加しています。
ブローカー
ブローカーは本来、仲介業者であるため、顧客のトレード仲介手数料で稼ぎ、自分のトレードを行いません。しかし、中には自分でトレードをするブローカーもいますが、こういう業者は顧客からの買い注文に利幅をのせて売り儲けようとするため大変危険です。自分でトレードをしないブローカーを選ぶのが良いでしょう。
個人トレーダー
自分の資金でトレードをしているため、リスクが高くなります。適切なトレード戦略を持つ人は極稀で、殆どのトレーダーはチャート分析だけでトレードをしています。また、周りからのサポートもなく、一人でもがきながらトレードしているため、およそ85%の個人トレーダーは損をしています。
企業でトレードを行っているトレーダーと異なり、マーケットニュースや情報を瞬時に手に入れられず、対応が後手になってしまうことも、利益を逃す理由の一つです。
大企業トレーダー
大企業のトレーダーは財務リスクを下げるためにトレードを行います。例えば、トヨタはUSDJPYが下落すると利益が少なくなるため、利益が減るリスクを回避するためにFXマーケットでUSDJPYを売ります。他の金鉱企業では、金の価格が下がると資産が下がるため、損失回避手段として金先物市場で、時々売りを入れておきます。このような大企業のトレーダーは頻繁にトレードを行いませんが、トレード規模が大きいためマーケットに大きな影響を与えます。