Nick Goold
ゴールデンクロス戦略は、短期の移動平均線が長期の移動平均線を上抜け、買いシグナルを示したときに形作られます。これは、FXやCFD(差金決済)での短期や長期のトレーダーが手がける、最も有名で広く使われている取引戦略のひとつです。
移動平均線の代表的なものは短期が50日線で長期が200日線です。単純移動平均線(SMA:Simple Moving Average)は移動平均線としてよく使われます。50日線が200日線を突き抜けると「ゴールデンクロス」と呼ばれる買いシグナルとなります。そうなると短期トレンドが強気を示して値上がりが続くように思えます。それと逆に、50日単純移動平均線が200日単純移動平均線を下抜ければ(注)「デッドクロス」となり、売りシグナル出現とみなされて短期の弱気トレンドの発生で値下がりが続くように思えます。
このゴールデンクロスへの対応は価格が強気のトレンドを示しているときに最も有効であり、指標は新たな方向へのトレードをうながしているのです。そして値動きが鈍くなってレンジ相場になった場合は、ゴールデンクロス戦略を使うのをやめましょう。50日単純移動平均線と200日単純移動平均線の組み合わせでは売買サインの出現が少なくなるので、やり手のトレーダは指数の算出期間を短くした10日単純移動平均線と30日単純移動平均線、あるいは20日単純移動平均線と100日単純移動平均線の組み合わせを使います。
マーケットでは短期の単純移動平均線がよく出現しますが、10日や30日という単純移動平均線の組み合わせを使えばいい結果が出るでしょう。これとは対照的に、動きの鈍いトレンドが続く場合は長目の移動平均の組み合わせを使うのがいい結果を出すでしょう。
ゴールデンクロス戦略は日足だけでなく、もっと短期あるいは長期の足でも有効です。だからこそチャートが時間軸で見て力強いトレンドを示しているのを確認することが重要です。例えば、デイトレーダーなら、1分足か5分足でもどちらかが強いトレンドを示していればゴールデンクロス戦略を使用することができるのです。
ゴールデンクロス戦略の実績を向上させるには
優れたした分析を使って実績を向上させる方法はいろいろあります
サポートとレジスタンス
支持線で動きをよく分析した買いエントリーをすれば他のトレーダーの追従買いが増えます。そして次の抵抗線との乖離が大きいほど大幅な利益を得るチャンスがあります。ですからゴールデンクロスに追従するエントリーをする前に、支持線と抵抗線をしっかり確認しましょう。し、もし値動きが抵抗線あるいは支持線と大きく乖離してる場合は、エントリーを見送って新たなトレードのチャンスを待った方が良いでしょう。
時間帯による分析
市場では取引日はずっと異なる特徴が現れます。例えば東京の後場のように動きが少ない場合はトレンドを使ったトレードをしてももあまり儲かりません。1日のうちでどの時間帯にトレンドが発生しやすいかを分析するデイトレーダーならゴールデンクロス戦略を使用することで負けトレードを回避することができるでしょう。
ファンダメンタル分析
ゴールデンクロス戦略を成功させるには、価格が大きく動かなければいけません。大きなニュースがないときはゴールデンクロス戦略で儲かる可能性は少なくなります。それに比べて市場に影響があるニュースなら、ゴールデンクロス戦略でしっかり利益になるような方向への動きになります。
ゴールデンクロスのリスク管理
ゴールデンクロス戦略の初歩的な使い方は、短期の移動平均線が長期の移動平均線を下抜けたときにポジションを解消することです。そして損切りポイントと利益目標を設定することがゴールデンクロス戦略での収益性を大きくすることになります。
損切り
あなたがトレードから離脱することを減らすためには、価格が支持線を下抜けたときにポジションを解消するのがいいでしょう。例えば、スイングトレードでは、値動きがその週の安値を更新する前にポジションを解消できます。さらにトレーリングストップを使用し、利益が乘ってきたらストップ注文の指値を上げるようにすると、チャートが逆方向に動き始めても利益が大きく削られることを防ぐことができます。
利益目標
トレンドトレードをしてトレーリングストップを使うには、通常大きな目標を設定するかまったく設しないのが最善です。短期移動平均線が長期移動平均線を下抜けるまで待つと利益が減少します。市場が週足での高値やドル/円の150のような切りのいい数字などの抵抗線で停止した場合でも、少なくとも建てたポジションからの取り分でゴールデンクロス戦略全体としての収益性を高めることができます。
ゴールデンクロスの精神的コントロール
ゴールデンクロス戦略の遂行にはトレーダーの強い忍耐力が必要です。なかなか取引機会に恵まれず、最大の利益を得るためにはポジションの長期保有が必要なため、一部のトレーダーには負担が大きいものになります。しかも予期せぬニュースのせいで勝ちトレードが負けトレードに変わりってがくりくることがあります。
多様な市場で同時に取引すればリスクを分散し、損益バランスに潜む変動を減らすことができます。そしてこの戦略が長期的だという特性と、普通でも勝率は低いものだということ受け入れればストレスが減って自分の計画を守りやすくなります。
結論として、いつゴールデンクロス戦略を使うかは、トレーダーの取引スタイル、リスクへ耐える力、市場の展望によります。とはいってもこれまでの経験と分析で培ったスキルで、いつ指標を使うかを決めることでゴールデンクロス戦略の収益性を高めることができます。