Nick Goold
利益を継続的に出している「プロトレーダー」は、それぞれ得意とする手法やマーケット、トレードスタイルは異なります。しかし、プロトレーダーは、トレーダーに必要不可欠な共通のスキルを身に着けています。トレードは、エントリー・エグジットのシグナルどおりにすれば勝てるという単純作業ではありません。継続的に利益を出すために必要なスキルを理解し、身に着ける必要があります。一貫して利益を出す「プロトレーダー」になるには、スキルの習得が必要であり、一定の時間が必要です。
ここでは、トレーダーとして一貫して利益を出すために必要な10個のスキルについて紹介します。
1. 数字に慣れる
トレーダーは、銘柄の価格や支持帯・抵抗帯、損益とPipsの関係、テクニカル分析などトレードに必要な情報を得るため、ある程度、数字に慣れる必要があります。複雑な数式を理解する必要はありませんが、計算を素早く、かつ、正確に行なわなければいけません。トレード前の段階で、スプレッドや手数料、必要証拠金などを把握することも必要です。
2. マーケット分析能力
勝率が高くトレードの優位性が高いエントリーポイントを見つけるためにはマーケット分析能力を磨く必要があります。分析方法には、大きくテクニカル分析・ファンダメンタル分析があり、2つの方法を駆使して、マーケットがなぜ動いているのか、どちらの方向にトレンドが発生しているのかを判断しなければいけません。プロトレーダーは、優位性の高いポイントを見つけるために、ポジションを保有していないときも、相場分析に時間を費やします。また、ニュースがどのようにマーケットに影響を及ぼしているのかを理解できれば、自分のトレード戦略が現在の相場に最適なのかを判断できるでしょう。
3. 集中力
トレーダーには「集中力」が必要です。自分が決めたトレードルールのエントリー基準を満たすのか、どこで決済するのか、ストップロスポイントはどこか、重要な経済指標などはないかなど、素早く情報収集する必要があります。また、ロット数の間違いや利益確定ポイント・損切りポイントを忘れるなど操作ミスは損益に直結します。何かをしながら片手間でトレードしても、いずれ大きな損失を招いてしまうでしょう。テレビや音楽など集中力を削ぐものを消し、できるだけ静かな環境にして、トレードに集中できるようにするのがおすすめです。
4. セルフコントロール
トレーダーはセルフコントロールが必要不可欠です。トレードをする前に作成したトレード計画に沿って、淡々とトレードをしたときほど、冷静な判断ができるため、利益が出る可能性が高くなります。事前のトレード計画にないけれど、衝動的にトレードしたいという感情は誰でも起きるものですが、その感情を制することが重要です。ギャンブルトレードをしないためにも高い自己管理能力を養っていきましょう。最も重要なことは、事前に決めたストップロスを守り、価格がストップロスポイントに達した場合、損失を受け入れることです。
5. トレードの記録を付けること
プロトレーダーは、何らかの方法でトレードの記録を付けています。いわゆる「トレードノート」は、自分専用のトレードの教科書です。トレードの反省、振り返り、感情の変化などを記録することは、自分の弱点を把握し、よりトレード技術に磨きをかけることになるでしょう。トレード毎のエントリーとエグジットの価格・時間などのトレード詳細だけではなく、チャートを保存してメモを書き込むこともおすすめの方法です。
6. 判断力
トレーダーは、エントリー・決済・ストップロスなど多くの決定をします。事前のトレード計画である程度は決めますが、実際には、目の前で変動しているチャートを見ながら、判断を下さなければいけません。他のトレーダーの手法やアイデアを参考にはできますが、いつ・どのようにトレードするかは、全て自分で決めなければいけません。プロトレーダーはマーケット分析能力はもちろん、得られた情報をもとに、素早く判断できるスキルを身に着けています。
7. 忍耐力
トレードには忍耐力が欠かせません。事前に決めたエントリーポイントまで待つ時間、ポジションを保有して利益が出ているときに決済ポイントまで到達するまで待つ時間には特に忍耐力が必要です。継続してトレードで利益が出るまでには、長い時間が掛かり、焦ってしまったりイライラしてしまったりすることもあるでしょう。忍耐強く、毎日少しずつ改善を繰り返すことによって、やがてトレードで成功できる時が訪れるでしょう。
8. 自分に自信をもつこと
トレーダーには自尊心、つまり、自分自身に自信を持つ必要があります。これも1つのスキルといえるでしょう。例えば、ポジションを保有しているとき、損益がどうであれ、不安にな気持ちに襲われてしまうことがあります。チャート分析をしっかり行い、事前にトレード計画を決めて、計画に沿ってエントリーしたなら、結果を待つだけです。自信を持って結果を待ちましょう。トレードの成功体験を少しずつ積み上げていけば、自信がついてくるようになります。
9. 一貫性
トレードでは、ときに、計画性がないトレードであっても大きな利益がでます。しかし、一貫性のないトレードを繰り返していると、いずれ大きな損失となり、1回のトレードで利益どころか証拠金のほとんどを失ってしまう可能性があります。継続的に利益を出し続けるためには、一貫したトレードアプローチが必要です。そして、一貫性を持たせるためにも入念なトレード計画と、メンタルコントロールが不可欠です。
10. 柔軟に対応する能力
トレードを難しくさせる要素の1つは、マーケットが常に変化していることです。例えば、今日は有効なトレード戦略でも、明日には全く機能しないということもあります。トレーダーには、相場に合わせて柔軟に対応するスキルを身に着ける必要があります。変化し続けるマーケットはトレードチャンスをたくさん提供しますが、柔軟に適応できないトレーダーは、トレードを必要以上に難しく感じてしまいます。マーケットの変化を感じ取り、自分のトレード戦略を相場に柔軟に適応できるスキルは、プロトレーダーに必要な能力の1つでしょう。
