Nick Goold
多くのトレーダーは、ポジションを持つと利益ばかりを追ってしまいがちです。しかし、その利益を追っているものの結果が伴わないトレーダーも多く存在しています。では、稼げるトレーダーになるにはトレード中にどんなことに注意していけば良いのでしょうか。
プロトレーダーは準備も含めてマーケットを常に冷静に見ています。しかし、反対にアマチュアトレーダーはポジションの保有中に戦略を建てようとして、パニックに陥ります。
プロスポーツ選手やオリンピック選手が高いパフォーマンスを本番で出すのと同じように、トレーダーも自信を持ってトレード戦略を実行できるよう、事前に準備する必要があります。特にトレードの世界は、プロもアマチュアも同じ土俵に立って利益を狙います。世界のプロを相手に事前準備もなく、その場の閃きで稼げるほど、マーケットはトレーダーに優しくはありません。
トレード中に注意すべき6つのポイント
1. 冷静にマーケットを見る
プロトレーダーたちは、トレード結果が利益になっても損失となっても常に冷静にマーケットを見ることができます。それは、マーケットから常に利益を得ることは不可能という事実を受け入れているためです。誰でも損失は嫌なものであり、避けたいものでもありますが、避けて通れない以上、その損失を受け入れられるようにするのがトレーダーの仕事です。
ポジションを建てる際には必ず損切りを設定し、仮にその損切りが約定されたとしても手痛くならない程度に調整します。また、一日の最大損失額を決めておくことも大切です。多くのアマチュアトレーダーは損失分を取り返そうと、何度もトレードを繰り返してしまいがちですが、こういった時は取り戻せる場合よりも損失をより大きくしてしまう結果に終わる場合の方が殆どです。
常に損切り設定を行い、一日の最大損失額を決めて、それ以上の損失を被らないようにすることをプロトレーダーたちはしているのです。損失のコントロールができるようになると、利益を積み上げられるトレーダーへと変化していきます。
2. トレード計画に従う
多くのトレーダーはトレード前にトレード計画を立てているものの、実際にチャートを目の前にすると、立てた計画とは異なるトレードをしてしまい、損失を被っていることが多くあります。立てた計画に沿った行動ができるように、自分を律することから始めると良いかと思います。
ポジションを建てるとき、ポジションの保有中、ポジションを手仕舞うとき、常にトレード計画に沿った行動となっているか確認しながら行います。最初の頃は慣れないため、計画を忘れてしまうことも多かもしれません。計画を直ぐに確認できるように、手元にメモなどに記して置いておくと良いでしょう。そして、ポジションを閉じた後には必ずそのトレードが計画通りにできたのか確認します。振り返ることで自分のトレードを客観視することができ、トレード中には気付けなったことを知ることができます。
3. 我慢する
チャートを開くと、動き続けるその様子に、ポジションを直ぐに立てたくなってしまう気持ちはとてもよく理解できます。利益を求めるのは良いことでもありますが、ここは一度冷静になり、損失を回避することを忘れないようにしましょう。
トレード戦略に沿ったトレードを行わない限り、安定した利益を得ることは困難です。たまたま得られた利益に継続性はなく、いつまた損失を被ってしまうのか分かりません。しかし、計画に沿ったトレードを行っていけば、その戦略の勝率が分かるようになり、どれくらいの確率で損失になってしまうのかも把握できるようになり、常に冷静にマーケットに向き合うことができるようになります。
トレード計画に立てたエントリーポイントが訪れるまで、エントリ―をしっかり待つことも重要なスキルとなります。また、ポジションを保有したら計画に沿って利益を伸ばしていく我慢も必要になります。1分にも満たない時間で、我慢できずに決済してしまうのでは利益を伸ばすことが困難となります。スキャルピングでも数分間は利益を伸ばす時間を確保したいものです。しかし、15分経ってもターゲットに達しないときは、そのポジションにこれ以上の利益を望むことができないと判断し、手仕舞いすることも必要です。
4. 定期的に休憩をとる
トレードは集中力を使うビジネスです。集中力が切れれば冷静な判断を下すことができなくなるため、トレード中は定期的に休憩をとるようにしていきましょう。冷静な判断が下せないようなメンタルでは損失を被る危険性が高まるため、チャートから離れることをお勧めします。
チャートを開くと直ぐにポジションを建てたくなる気持ちも理解できますが、これは焦りです。トレードチャンスは今後も巡ってきますから、目の前のトレードチャンスを逃すまいと慌ててエントリーすることは避けましょう。
疲れ、焦り、苛立ち等、負の感情を感じているときにはポジションを建てないようにします。5分、10分でも良いので、お茶やコーヒーを飲んでリラックスする時間を設けるようにし、また集中できる環境を作って戻ってきましょう。
5. ニュースに注意する
マーケットは、経済指標発表やニュースによって動き、変化していきます。どんな戦略を使用するにしても、ニュースを無視してトレードで利益を得続けていくことは困難です。
ニュースによって一時的にボラティリティが拡大したというときもあれば、トレンドを新たに築くようなニュースもあります。トレードしているマーケットに影響を与えるニュースや経済指標発表を逃さないよう、確認する習慣をつけていきましょう。そのためにも、見慣れたニュースサイトをお気に入り登録などして、直ぐに確認できるようにしておくと良いでしょう。
6. トレード戦略を変えない
勝てないからとトレード戦略を頻繁に変えていくトレーダーを見かけることがあります。実は、トレード計画自体には何の問題もないことが殆どです。しかし、チャートを開くと価格の上下の動きに翻弄されてしまい、本来目指していたトレードが実行できていない状況に気付いていません。どんどんトレード戦略を変更していき、方向性を定めることが困難となり、途方に暮れていきます。
様々な媒体で様々な戦略が紹介されているため、どれを使うのが良いのか迷ってしまいがちですが、一番大切なことは、瞬時に判断を下せるシンプルな戦略を使用することです。多くのインジケーターをチャートに表示すると、それぞれのインジケーターのサインが異なる場合も多くあります。そうすると、なかなかエントリータイミングが訪れず、結局、もともとの戦略になかったトレードをしてしまうことにも繋がります。
先ずは、1つないしは2つのインジケーターを用いて決めた戦略を一定期間使用し続けるようにしていきましょう。
