Nick Goold
日足チャートに適用される200日移動平均は、過去200取引日の終値を基に算出されています。FXトレーダーは長期のトレンドの方向を把握するために200日移動平均線を利用され、200日移動平均線が知名度のある移動平均線の中で最も長い移動平均です。
200日移動平均線は主に日足チャートで利用されていますが、他の時間軸、例えば1時間足や5分足などでも200移動平均線を利用する場合があります。
なぜ200日移動平均線が重要なのか？
テクニカル分析が機能するかどうかは、他の多くのトレーダーも同じように参考にしているかどうかによって変わります。他の多くのトレーダーも参考にしている指標であれば、テクニカル分析がそれだけ機能しやすくなります。
例えば、価格が200日移動平均線を上回れば相場は上昇すると多くのトレーダーが考えれば、より多くの買い注文が発生し、結果的に価格を押し上げることになります。200日移動平均線は、トレーディング本、ブログ、分析レポートなどで紹介されているので、ほとんどのトレーダーは200日移動平均線を知っていることでしょう。
200日移動平均線の戦略
200日移動平均線には、他の移動平均線と同様に4つのエントリーポイントがあります。以下は買いエントリーポイントについて解説していますが、売りエントリーポイントは逆となります。
移動平均線ブレイク買い
価格が下向きの移動平均線を上抜けてブレイクアウトした場合、上昇トレンドが始まるシグナルとなります。
移動平均線タッチ買い
価格が上昇している移動平均線まで戻ってきたら、押し目買いのチャンスとなります。これは、上昇トレンドが急であればあるほど、この戦略は成功する可能性があります。
移動平均線セカンドクロス
グランビルの法則でも紹介されている戦略です。価格が上向きの移動平均線を下回ると、一部のトレーダーは新規売りエントリーします。逆に、価格が移動平均線の上に再度戻ってきた場合、先ほど売ったトレーダーは損切りして、新しい買いエントリーポイントを探します。
移動平均線との乖離による逆張り買い
価格が200日移動平均線を大きく下回る場合、価格は売られすぎで移動平均線に戻る可能性が高いでしょう。このシナリオは、反転パターンの買い場となります。どれぐらい移動平均線から離れれば逆張り買いができるかは通貨ペア・銘柄によって異なるため、過去の価格分析が必要です。
サポートとレジスタンス
200日移動平均線はサポート・レジスタンスとして機能し、トレードのエントリーやエグジットのタイミングを改善するのに有効です。例えば、長期間にわたってポジションを保有するスイングトレーダーやポジショントレーダーは、長期的な下降トレンドの中で価格が200日移動平均線にタッチしたときにポジションの決済を検討できます。また、長期的な上昇トレンドが継続しているのであれば、200日移動平均線より下にトレーリングストップ注文をすれば、より大きな利益を狙えるでしょう。
短期売買
短期トレーダーは、まずは長期トレンドの方向を確認するのがおすすめです。長期のトレンド方向のみにポジションを建てることを前提にエントリーポイントを探しましょう。このようにすれば、勝率を高めることができます。価格が200日移動平均より上にあるということを条件に、短期トレーダーはより短期の移動平均を使用してエントリーポイントを探します。
移動平均の組み合わせ
2本の移動平均を一緒に使うことは、トレンドの強い相場で特に有効で、利益をもたらします。例えば、50日移動平均線が200日移動平均線の上に移動（ゴールデンクロス）したら、買いシグナルです。2本の移動平均線を使う利点は、価格が200日移動平均線を超えて上昇するのを待って買い参入のシグナルを出すよりも、エントリータイミングが早くなることです。
200日移動平均のリスク管理
200日移動平均線戦略は長期的なトレンド戦略なので、少なくとも損失の2倍から3倍の利益を得ることが可能です。200日移動平均線の上で買う場合、価格が200日移動平均線を下回るまでポジションを保持することがルールです。しかし、この戦略は、一度含み益になったポジションが含み損になる可能性もあり、結果的にストップロスとなってしまうリスクがあります。
そこで、サポートとレジスタンスを利用して、200日移動平均線戦略の収益性を大幅に向上させましょう。買いポジションを取るときは、日足チャートのサポートより下にストップを置き、相場がレジスタンスを超えられない場合は、利益確定してポジションを終了します。このようにすれば、利益を確保しつつ、大きなトレンドが発生したときに利益を大きくできます。
200日移動平均のメンタルコントロール
200日移動平均線を使う手法は長期的な戦略なので、200移動平均線の戦略に対する信頼と利益が出るまで我慢強く待つ必要があります。短期的な値動きに焦点を当ててしまうと、200日移動平均線の手法で利益を得るのは難しいでしょう。
