Nick Goold
マーケット分析
先週のマーケットは、木曜日の米国・消費者物価指数の発表を控え、予想通り静かなスタートとなりました。9月の消費者物価指数の発表結果は、インフレ率が+8.2%、予想より0.2%高い数値となりました。これにより、早速マーケットが年内の利上げ予想を変更したため、ダウは急落、2022年の安値に達しました。
その後、サポート割れを起こすことがなかったため、買い手が積極的にマーケットに参入し、木曜日中にはダウは反転上昇、意外にも30,000ドルを超えるところまで上昇しました。しかし、月初めの高値がレジスタンスとなっていたため、そこで売りが戻り、ダウは再び30,000ドル割れで取引を終えました。今週は重要な経済指標発表が少ないためレンジ状態が続き、再度下落する可能性が高いと予想されます。
現在のマーケット環境では、短期売買が最も魅力的な戦略です。5分足チャートを使用するデイトレードでは、強いトレンドに沿った順張りパターンと逆張りのパターンがあります。短期的なボラティリティは高いため、ターゲットはストップの少なくとも2倍以上に設定します。
NYダウ日足チャートと10日移動平均線
レジスタンス：30000, 30500, 31500, 32000, 32650, 33000, 34000
サポート：29000, 28500, 27500, 26500
インフレがダウに与える影響
2022年は世界的に、中でも米国でインフレが進行しています。インフレとは、経済において財産やサービス価格が上昇することを言います。下図は、過去25年間の米国のインフレ率の推移です。
2022年、米国のインフレ率は予想をはるかに上回り、これを受けてダウは今年約20%下落しています。では、実際にインフレが株式にどんな悪影響を与えるのか見ていきましょう。
1. 消費者需要の低下
商品やサービスのコストが上昇すると、消費者の消費機会が失われる可能性があります。また、消費が減少すれば、企業の売上高が減少する可能性もあります。消費者が物価の上昇に慣れるまでには時間を要するため、その間の企業は苦しい展開となるのです。
2. 企業収益の低下
インフレが進むと、製品を製造するためのコストもかかるようになるため、企業利益が減少します。消費者へ値上げを反映させるには時間がかかるため、短期的には企業収益が悪化する可能性があります。
3. 金利の上昇
インフレ率が高くなると、中央銀行は政策金利を引き上げてインフレ率の上昇を防ごうとします。金利の上昇は企業のコストを増加させ、株式市場へ投資する魅力を低下させます。
